【リネゾリドで治療したグラム陽性球菌感染症の血液疾患患者102人の臨床解析】

目的: 血液疾患患者におけるグラム陽性球菌感染症に対するlinezolidの有効性と安全性を観察すること。

方法 グラム陽性球菌感染症が疑われる,あるいは証明された血液疾患患者122名を登録した。 Linezolidは600 mgを12時間ごとに静脈内投与した。 平均治療期間は(10.82±5.12)日(1~51日)で,7日以上が74.5%,10日以上が51.0%だった。

結果 102例中,11歳から81歳の男性57例,女性45例で,平均年齢は(45.26±19.15)歳であった。 院内感染94例(92.2%),市中感染8例(7.8%),肺炎80例(78.4%),敗血症11例(10.8%),その他の臓器感染11例(10.8%)であり,感染経路は多岐にわたった。その内訳は,黄色ブドウ球菌22株,メチシリン耐性ブドウ球菌13株,表皮ブドウ球菌9株,メチシリン耐性腸球菌6株,Enterococcus hirae 1株であった。 ITT(intention to treatment)解析による臨床効果率は69.6%で,内訳は治癒が40例(39.2%),明らかな有効が31例(30.4%),PP(per-protocol)解析では70.9%で,内訳は治癒が39例(41.9%),明らかな有効が27例(29.0%)であった。 副作用は一過性血小板減少症,トランスアミナーゼ上昇の2.9%であった。

結論 Linezolidはグラム陽性球菌感染症を合併した血液疾患患者において,安全かつ有効な抗菌薬であることが確認された。

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