膝の骨髄浮腫

骨髄浮腫とは怖い響きですね。 多くの人がMRIのレポートを持って診察室にやってきて、自分の骨髄に何か問題があるのではないかと心配します。

(Skeletal Radiologyより), ISS

骨髄浮腫は単に骨の中に液体がある状態を指します。 それだけです。 非常に非特異的な所見です。 ほとんどの場合、危険ではありません。 長い距離を走った後の筋肉や、関節が摩耗しているときと同じように、骨も痛くなることがあります。 右の写真は膝ですが、矢印は骨の中の液体、つまり骨髄浮腫を指しています。 骨髄浮腫は、しかし、非常に痛みを伴うことがあります。

骨髄浮腫は、3つの主な理由で発生します。

  • 第一は、外傷です。 大きな怪我をした場合、何かが骨に当たったり、2つの骨が一緒に押しつぶされたりすることがあります。 いずれにせよ、骨はうれしくないでしょう。 怪我に反応して、その中に液体が発生するのです。 その点では、骨は、けがをすると液体がたまる筋肉のような他の組織とあまり変わりません。
  • 骨髄浮腫の2番目に多い原因は、変形性関節症です。 健康な膝では、骨は軟骨で覆われています。 関節炎になると、その軟骨が薄くなったり、なくなったりします。 その状態では、骨にかかる負担が大きくなります。 その結果、骨にかかるストレスが体重を支える能力を上回った場合、ストレス反応、つまりストレス骨折が起こります。 そのストレス反応や骨折が、骨髄の浮腫として現れるのです
  • 「骨壊死」。 骨壊死は文字通り「骨の死」を意味します。 つまり、骨の中の小さな血管が何らかの原因で詰まってしまい、骨の小片が死んでしまうということです。

骨髄浮腫は痛いですか?

筋肉が傷つき、筋肉に液体がたまると、筋肉は腫れます。 みなさんも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。 さて…骨は硬いです。 骨は膨らむことはありません。 ですから、骨の中に水分があると、骨の中の圧力が上がります。 骨髄の浮腫で骨の中の圧力が上がると、激しい痛みが起こります。

変形性膝関節症の患者さんの多く、特に膝の腫れがほとんどない方は、変形性膝関節症、つまり膝関節の炎症よりも骨髄浮腫の方が気になることが多いようです。 通常、身体検査では、2つの骨が合わさった関節の圧痛とは対照的に、骨の上の圧痛が強いことがわかります。 他の打撲と同じようにです。 骨壊死の場合も、骨髄の浮腫はおさまります。 骨壊死の多くの場合、骨は新しい血管を増やし、自ら再生します。 患部が大きすぎて、再生しないこともあります。 一方、変形性関節症は、進行性の疾患です。 悲しいかな、時間とともに悪化する一方です。 つまり、骨の浮腫みも改善されにくいということです。 骨髄の浮腫が原因と思われる激しい痛みの場合、ある種の治療で痛みが劇的に改善することがあります。 そのため、骨髄浮腫には必ずしも治療が必要ではなく、浮腫の原因や痛みの程度によります。

骨髄浮腫はどのように治療するのか

骨髄浮腫の初期治療は、ほとんどの打撲の治療とあまり変わりはありません。 安静、氷、薬物療法、活動制限、そして場合によっては松葉杖や杖を使用します。 外傷の場合、また骨壊死の場合はそれで十分です。 変形性関節症による骨髄浮腫の患者さんでは、痛みが自然には改善されないことがあります。 痛みが改善されず、生活の質が低下している場合、「軟骨下形成術」として知られる処置の候補であることが判明するかもしれません。

青い矢印は、ペーストを注入した部分の輪郭です

軟骨下形成術では、X線装置を使って浮腫がある骨の部位を見つけます。 小さな針を骨に刺し(鎮静下)、ペーストを注入します。 そのペーストは処置の後すぐに固まります。 ペーストが固まると、骨にかなりの強度を与えることができます。 骨の強度が向上することで、変形性関節症によって加わるストレスに対応できるようになるのです。 施術が成功し、骨の強度が上がれば、骨髄の浮腫みも治まります。 骨髄の浮腫が治まれば、痛みは劇的に改善するはずです。 初期の臨床試験と私たちの経験から、この手術は安全で効果的な方法であることが分かっています。 もちろん、合併症が起こる可能性もありますので、潜在的なリスクに見合うかどうかを判断する必要があります。

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